医師とは

医療を司っている医師の仕事には保健指導も含まれます。医学を修めた医師は、傷病の予防、診療、衛生の普及を期待され、患者の生命を守るために自分のスキルと知識をフルに活用して、社会貢献しています。医師の学ぶ医学は沢山の専門分野に分かれており、医師免許を取得するためには、それらを一通り学ばなければなりません。医師に該当する英語は「physician」ですが、外科医だけは「surgeon」と呼ばれます。

これは昔、外科が理容師の職分であったことの名残であり、両者ともに医師であるのは確かです。因みに日本で頻繁に用いられる「ドクター」は海外では「博士」を意味しますから、医師を「doctor」と呼ぶのはイギリス連邦諸国に限られます。日本で医師をドクターと呼ぶようになったのは、医師制度における学位の位置付けが特異であることも関係しています。

古代では病気は悪魔や神がもたらす現象であったことから、当時の医師は宗教色を帯びていました。WHOのような公的機関で医学の象徴とされているのはアスクレピオスの杖ですが、その由来はギリシア神話です。昔の医学と現代の西洋医学とがかけ離れたものであることが分かるでしょう。医師の社会的位置づけも現代とは異なり、例えばギリシアでは奴隷も医師になることが出来ました。但し奴隷の医師は自由市民を診ることができなかった点は付言しておきます。ローマについても医師の社会的地位はそれほど高いものではなかったと言われています。

医師が現代のように「技術を用いて命を救う仕事」と強く認識されるようになったのは中世を迎えてからでした。近代以降は専門職として敬われ、社会的責任も大きくなりました。因みに日本では「くすし(薬師)」が医師の起こりだったと言われますが、中世までは漢方医学を範としました。

そして現在でも、医学は大きく発展を続けており、同時に医師がなすべきこと・できることも少しずつ変化を遂げているといえるでしょう。